大失敗のDX推進プロジェクト_その原因とは?
◇前置き
昨今、「DX」という言葉を様々な場所で聞くようになりました。
企業の事業方針などにも取り入られることがあるDXですが、失敗事例が非常に多いようです。
私の勤め先でも3年ほど前にDXを推進するプロジェクトが組まれました。
3年が経過しても特に進捗らしい進捗もなく、お金だけが垂れ流れています。
そんな大失敗の香りがするDXプロジェクトですが、「なぜそんなことになってしまったのか?」について考えていきたいと思います。
◇DXとは
DXはデジタルトランスフォメーション(Digital Transformation)の略称です。
「デジタル・IT技術を活用し、製品・サービス・ビジネスモデルを変革すること」と定義されています。
似たような言葉で「IT化」・「デジタル化」等があります。
これらはDXという「目的」を成し遂げるための「手段」です。
DXを進めることには様々なメリットがあります。
例えば、「作業の自動化による生産性向上や人件費削減」等ですね。
◇DX推進が失敗する原因
私の勤め先のケースを例に、なぜDX推進が失敗してしまうのか?
原因を3つ考えてみました。
要約するとこんな感じです。
≪要約≫
推進する側にIT分野の知識がない。
実務者の意見を聞かない。
プロジェクトの目的が定まっていない。
以下、3つの原因について解説します。
①IT技術に対する知識不足
私の勤め先の場合、これは非常に大きいですね。
推進する側の人間に、議論のベースとなる知識がないので話が進みません。
また技術的な話にはついていけないので、基本的に外部ベンダーの言いなりになってしまいます。
結果として使いづらいものが出来上がってしまいました。
②部下の意見を取り入れない古い企業風土
私の勤め先の場合、管理者層にはIT分野の知見を持たない人が多く、20代・30代にはIT分野の知見を持った人がチラホラいる感じです。
管理者層と若年層で意見が食い違った時は、基本的に管理者層の主張が通ります。
「知見のある人間の主張と知見のない人間の主張、どちらを通す方が良い結果を得られるか?」
考えるまでもないと思うのですが、古くからの慣例はなかなか手強いですね。
③具体的な目的が定まっていない
これもなかなかひどい話であります。
「最終的にどうしたいのか?どんな効果を期待しているのか?」
これが全く定まっていないんですね。
実際にこんなやりとりがありました。
推進者「○○○というツールを導入します」
実務者「○○○を使って何をするんですか?」
推進者「まだ決まってません!
とりあえず導入してください!」
実務者「・・・・・。」
さすがにひど過ぎますね(笑)
私はこのやりとりを聞いてプロジェクトの失敗を確信しました。
◇DX推進を成功させるには
①目標・目的を明確にする。
まずは何といっても具体的な目標設定をすることでしょう。
「よくわからんけど、とりあえずやれ!」
これでは、人も結果もついてきません。
完成イメージを明確にして、プロジェクトメンバーと共有するところから始めることが大切ですね。
②適切な人員を配置する。
知識がなく、人の意見に耳を傾けない人間が推進者の立場にいるだけで、プロジェクト失敗のリスクが跳ね上がります。
以下のような人材がいると心強いですよね。
・外部ベンダーと仕様の相談が出来る程度の知識がある人
・プロジェクトを円滑に回すマネジメントスキルを持つ人 等々
DXというのは、新しい取り組みです。
ある程度スキルのある人材を集めないとうまく進みませんね。
◇最後に
ほぼほぼ愚痴のようになってしまいましたが、いかがだったでしょうか。
私の勤め先では既に多額の投資をしてしまっているため、引くに引けない状態になっています。
表向きは
「これだけ投資してDXを進めています!!」
実際には
「使い道も決まってないし、何も改善されてないけどね・・。」
これからDX推進に取り組む方々が、同じ轍を踏まないよう心からお祈りしております。