IT介護の最前線_ブラウザ切り替え編
皆さん、「IT介護」と聞いて何を想像しましたか?
「IT技術を駆使したハイテクな介護」を想像した方々、残念ながらハズレです(笑)。
「IT介護」とは、少し前にSNSで流行ったネットスラングです。
ITや電子機器に疎い方々に対して、手取り足取りサポートしなければならない状態を皮肉った表現です。
例えば、
「メールへのファイル添付ってどうやるの?」
「ZOOMってどうやって使うの?」
こんなケースですね(笑)。
日頃からPCやスマホを使っている人であれば、出来て当たり前のことや、ちょっとググればすぐわかるようなことですら、IT音痴の方々には難しいようです。
さらに厄介なのが、彼らが「高齢」であるケースが多いことです。
「高齢」な方は、職場内での地位が高いケースが多いですよね。対して、介護する側の若者は地位が低いことが多いわけです。
上司「新しいシステムの使い方が分かんないから教えてくれ。」
部下「とりあえず、このメールに貼ってあるURLを開いてログインしてください。」
上司「URL・・?ログイン・・?何を言ってるか分からん!分かるように説明しろ!!」
・・・こんな理不尽が頻繁に発生するわけです(笑)。
介護する側のストレスは計り知れません。
かくいう私もIT介護を行う人間の一人であります。
最近は、会社としてDXを進めようとしているようで、様々な申請や事務処理が電子化されました。
※大抵がパッケージ化された外注のシステムで、使いづらいんですがね・・・。
出張旅費精算、年末調整、被扶養者確認、出勤簿・・・・etc.
こうなってくるとIT介護を行う側は、てんてこ舞いです(笑)。
職場中の高齢者からヘルプの電話がかかってくるわけですから、自分の仕事どころではありません。
さらに面倒くささに拍車をかけたのが、「Internet Explorerのサポート終了」です。
私の勤め先ではギリギリまでIEを標準ブラウザとして利用していました(これは完全に情シス部門の怠慢ですね)。
IT音痴の皆様は、IEのサポートが切れてからも当然のようにIEを利用していらっしゃいます。
さて、前置きが長くなりましたが、ここからがタイトルにもある「ブラウザ切り替え編」になります(笑)。
私の会社には、IEユーザーが溢れております。そんな中、新しいWebアプリケーション(電子承認・決裁・申請システム)を導入するとどうなるか?
答えは簡単です。
「新しいシステムが動かないんだけど!」
「○○の申請が出来ないんだけど!」
こんな電話が鳴りやまなくなります(笑)。
※この手の方々はメールなんか打ちません。連絡といえば電話なんです。
電話越しだと大体こんな感じのやり取りになります。
相手「新しいシステムがちゃんと動かないんだけど!」
私「Webブラウザは何を使っていますか?」
相手「Webブラウザってなんだよ!」
私「・・・Internet Explorerが開いていませんか?」
相手「Internet Explorerってなんだよ!」
私「・・・こちらから遠隔で操作するのでPCのIPアドレスを教えてもらえますか?」
相手「IPアドレスってなんだよ!」
・・・はい。現地への出動が決定しました(笑)。
まあここまで口悪い方は少数派ですが、大体用語の意味が分からず会話になりません。
現地に赴き、デフォルトブラウザの設定をして、ログインの仕方まで説明をします。
すると、申請(承認・決裁)の最後まで付き合わされます(笑)。
業務関係の申請ならまだしも、扶養者確認やら年末調整まで付き合わされるのだから、たまったものではありません。
(あんたらの家族構成やら税控除なんか知ったこっちゃないわい!)
何よりつらいのが、同じやり取りをIT音痴の人数分繰り返さなければならないことです。
IT介護という仕事は、時間も手間もかかるし、ストレスも半端ないです。
でも、評価はされにくい仕事なんですよね・・・。
(このあたりも、本物の介護と似ていますかね?)
IT介護が不要になる、またはIT介護をする側が評価されるような社会になると嬉しいのですが、なかなか難しいでしょうね。
せめて自分が高齢者と呼ばれる年齢になった時、若者に迷惑をかけないようにしたいものです。